日常生活行動 activities of daily living

日常生活行動とは、人間が成長・発達し、社会活動を営むための行動の総称である。これらの行動は、生命維持に関わる側面から、人間的成熟に関する側面、社会的関係を形成・発展させる側面へと、相互に関連しあって現れるものであり、個別的特徴をもつ。
類義語に、日常生活動作(活動)と訳されているADL(activities of daily living)、家事や買い物、公共機関の利用などの関連(または応用)動作を示すAPDL(activities of parallel to daily living)またはIADL(Instrumental activates of daily living)がある。ADLは、元来、リハビリテーション医学の用語であり、1976年に日本リハビリテーション医学会が、食事排泄、整容、更衣、入浴、移動などの万人に共通して毎日繰り返される一連の身体動作群と定義している。日常生活行動と日常生活動作(活動)は、ほとんど同義に用いられる場合もあるが、「日常生活行動」は、単なる身体動作群だけではなく、人間的成熟や社会的関係の形成・発展などにも関連し、その人らしさを形作る行動を含むより包括的な視点をもつ概念である。
参考文献
1)日本看護科学学会看護学学術用語検討委員会(編):看護学学術用語,日本看護科学学会第4期学術用語検討委員会, 1995.
2)川島みどり(著):新訂生活行動援助の技術,看護の科学社,1987.
3)早川宏子(編):作業療法技術論2 日常生活活動 改訂第2版,協同医書出版社,1999.