アセスメント assessment

アセスメント(assessment)は、一般的には、査定、評価あるいは事前評価と訳されている。医療においては、患者アセスメント、環境アセスメント、リスクアセスメントなどのように様々に用いられている。また、看護では、患者および家族、ケア環境などの状況を査定する過程をさしている。
看護においてアセスメントは、看護過程の最初の段階として位置づけられ論じられている。看護過程におけるアセスメントは、情報の収集・分析・集約・解釈のプロセスであり、看護の対象となる人々に最適な看護を提供する上で重要な段階である。「情報の収集」では、人間の健康についてのアセスメントの枠組みを用い、コミュニケーション技術を活用して、目的、系統的に身体や心理・社会的な情報を収集する。そして、得られた情報を「分析」し、それらを「集約」して「解釈」を行い、看護の視点から問題(解決を要することがら)や強み(看護活動に活用できるその人の長所を判別し、最適な看護を導きだす根拠を明示する。
アセスメントの「解釈」には、現象を多面的に捉える能力、知識や経験を活用しながらその意味・原因を探求する能力、予測する能力、統合する能力などが必要である。

参考文献
1)Janet Weber(著)/森山美知子(訳):看護診断のための看護アセスメント, 医学書院 ,1994.
2)Patricia A. Potter(著)/大石実,大石加代子(訳):看護診断に必要なヘルスアセスメント 最新看護ガイド ,医学書院, 2000.
3)Marjory Gordon(著);上鶴重美(訳):アセスメント覚え書―ゴードン機能的健康パターンと看護診断, 医学書院, 2009.
4)小田正枝(著):看護過程がよくわかる本―看護理論を実践に活かす,照林社,2002.