調整(コーディネーション)とは、看護の対象となる人々やケア提供者のために資源を活用する際に、重複を省きかつ効率よく利用するために、便利な組織構造を作るためのアプローチである。他の専門職と協働するためのアプローチの一つである。また調整とは、管理職能の重要な要素の一つであり、組織に生じた葛藤や困難ごとあるいは問題を解決し、組織共通の目標を達成するために内部均衡を図っていくこととされている。
チームの中心である患者や家族が最良の健康状態を得られるように、チームの一員である専門職者がそれぞれの専門性を発揮し、協働することを目指すチームアプローチにおいて、看護職者が担う調整役割は重要である。看護職者は患者や家族のニーズを把握し、チーム全体がそれらを認識、理解できるように橋渡しをする役割が求められている。
日本では専門看護師機能の一つとして調整が位置づけられている。専門看護師が行う調整による成果としては、①医療チーム全体でケアをする体制が整う、②医療者間の葛藤が軽減する、③治療に必要な他部門や他職種への橋渡しができる、④患者の早期回復・退院の促進などが挙げられている。
参考文献
1)佐藤直子(著):専門看護制度―理論と実践,医学書院, p.108,1999.
2)野末聖香(編・著):リエゾン精神看護―患者ケアとナース支援のために,p.299,医歯薬出版, 2004.