看護の専門分野とは、健康の保持・増進、疾病の予防、健康の回復、苦痛の緩和を行い、生涯を通して最期まで、その人らしく生を全うできるよう援助することを目指す特定の領域を実践したり研究したりする際の一つの方向や活動範囲をいう。例えば、成人看護、精神看護、がん看護などである。
看護が専門職としての基盤をより確実なものとしていくためには、ある特定の看護分野をより深く研究し、その分野の高度な知識・技術をもち、かつ看護を科学的に確立し実証する看護職者を必要とする。
近年、教育水準の向上に伴い、看護職に対する社会的評価や期待は急速に高まっている。また、看護職独自の判断に基づく行為が認められる範囲も拡大してきた。この変化の中、看護職者は、それぞれの立場において果たすべき役割を見極め、その専門性を高めながら社会のニーズに応えていくことが求められる。
看護職者は、それぞれが関わる看護の専門分野において、研究や実践などを通して得られた最新の知識を活用し看護を実践するとともに、より質の高い看護を提供できるよう、新たな専門的知識・技術の開発に最善を尽くす必要がある。
参考文献
1)日本看護協会:看護にかかわる主要な用語の解説-概念的定義・歴史的変遷・社会的文脈, http://www.nurse.or.jp/home/publication/pdf/2007/yougokaisetu.pdf<2011.5.19>
2)奥井幸子:看護学大系2,日本看護協会出版会,1990.
3)日本看護協会:看護者の倫理綱領,http://www.nurse.or.jp/nursing/practice/rinri/rinri.html<2010.5.18>