保健行動 health behavior

保健行動とは、安全かつ健康な生活を送りたいという基本的な欲求に基づき、個人が自己の健康の保持・増進、回復のために行う行動、あるいは個人が健康上好ましいと信じている行動をいう。しかし、その行動が、客観的にみて健康的であるか否かは問題にしない。
保健行動は、ある社会状況におかれたある健康状態の個人が生活する過程を通して生起する現象である。そのため、個人が健康をどのように捉えて位置づけているか、健康に対してどのような信念や価値観をもっているかなどに大きく影響を受ける。また、保健行動は、年齢、性、健康に関する知識や情報、経済状況、過去の経験、宗教、人間関係などの個人的要因にも影響を受ける。さらに、社会資源、関係者の援助およびコミュニケーション能力、社会規範といった社会環境も保健行動の影響要因となる。
この保健行動は、個人が健康の保持・増進、回復を目的として、日常生活の中で習慣的に行う運動や禁煙などであり、看護職はその人がもっている健康観を尊重しつつ、より良い生活を送れるように、保健行動を査定し、より高い健康レベルに向けて支援する。
参考文献
1)宮坂忠夫(編・著):最新 保健学講座 別巻1 健康教育論,メヂカルフレンド社,2006.
2)宗像恒次(著):最新行動科学からみた健康と病気,メヂカルフレンド社,1996.
3)荒賀直子,後閑容子(編):地域看護学.jp,インターメディカル,2004.