ヘルスプロモーション health promotion

ヘルスプロモーションとは、世界保健機関(WHO)のオタワ憲章において、「人々が自らの健康をコントロールし、改善することができるようにするプロセス」として提唱された。ヘルスプロモーションは、健康の前提条件、3つの基本戦略、5つの活動領域の視点から論じられている。健康の前提条件としては、経済的、社会的条件があり、3つの基本戦略には「アドボカシー」「イネィブリング(能力付与)」「メディエイティング(調停)」が、そして5つの活動領域としては「保健政策の制定」「支援環境の整備」「地域活動の強化」「情報スキルと教育スキルを介した個人スキルの開発」「疾病の予防と健康づくりのための医療の再設定」が挙げられている。
日本ではこの考えに基づき、「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」(2000年)、「健康増進法」(2002年)が制定された。
看護では、ペンダー(N. J. Pender)のヘルスプロモーションモデルが広く知られており、予防から健康増進、また終末期に至るまで、人々が自らの行動をコントロールし改善することを目指し、その支援を行うための基盤となる考え方、かつ方法論として用いられている。
参考文献
1)Lawrence W. Green,Marshall W. Kreuter(著)/神馬征峰(訳):実践ヘルスプロモーション-PRECEDE-PROCEEDモデルによる企画と評価,医学書院,2005.
2)日本健康教育学会(編):健康教育-ヘルスプロモーションの展開,保健同人社,2003.
3)Karen Glanz, Frances Marcus Lewis, Barbara K. Rimer(編)/曽根智史, 渡部基, 湯浅資之他(訳):健康行動と健康教育-理論、研究、実践,医学書院,2006.