診療の補助 nurse’s role in helping examination and treatment

診療の補助とは、医師または歯科医師が患者を診察・治療する際に看護師・准看護師が行う補助行為であり、診療に伴う苦痛緩和、症状出現の予測、状態変化への対応なども含む。
診療の補助は、療養上の世話とともに看護師・准看護師の業務として保健師助産師看護師法(第5条・第6条)に規定されており、看護職者の独占業務(同法第31条・第32条)である。
看護職者が行う補助行為は、医療行為全般にわたり、患者の生命や身体に危険をもたらすおそれのある医行為の代行をも含む。しかし、医師の指示があればどのような医行為も看護職者が行い得るわけではない。指示に対して、その行為を医師が行うべきか、自ら行っても問題の生じない行為であるかどうかを判断することが求められる。指示の内容、患者の状態、看護職者自身の力量、行為による侵襲の程度、薬剤の種類などを考慮するとともに、その行為が患者にどの程度の危険をもたらす可能性があるかを見極める専門的判断が必要である。診療の補助行為の法的責任は、医師、看護職者ともに生ずる。
参考文献
1)日本看護協会:看護にかかわる主要な用語の解説-概念的定義・歴史的変遷・社会的文脈, http://www.nurse.or.jp/home/publication/pdf/2007/yougokaisetu.pdf<2011.5.19>
2)井上清成:法律用語の基礎知識,日本医事新報,p.84, 2010.
3)松木光子(編):看護学概論-看護とは・看護学とは 第4版, ヌーヴェルヒロカワ, 2007.