ナーシングインターベンション nursing intervention

ナーシングインターベンションとは、看護職者が、患者の健康の保持・増進、さらに、最期までその人らしく生きるために、専門的知識や技術を意図的に活用して行う看護援助のことである。ナーシングインターベンションを表す言葉は、看護介入、看護技術、看護活動、看護行動など多様であり、定義も様々であるが、国際看護業務分類(ICNP: International Classification for Nursing Practice)では、「看護の領域の中でもたらされる、患者にとってよい成果につながる看護職者の活動である」と定義している。また、ナーシングインターベンションを分類する試みも活発に行われており、その代表として、看護介入分類(NIC:Nursing Intervention Classification)や看護実践国際分類がある。看護介入分類は、看護職看護の対象となる人々に関わることで、望ましい結果をもたらすケアや教育活動などを概念化し、分類したものである。その内容は、生理的健康‐基本的介入(身体機能をサポートするケア)、生理的健康‐複雑な介入(恒常性により調整を支援するケア)、行動への介入(心理社会的機能を支えライフサイクルの変容を促すケア)、安全への介入(危害への防護を支えるケア)、家族家族集団を援助するケア)、医療システムへの介入(ヘルス提供システムの効果的な活用を支えるケア)、地域社会の健康を支えるケアに分類されている。
ナーシングインターベンションは看護介入と訳されており、看護介入という用語に対する疑義も聞かれるが、いずれにしても、看護職者の専門的な知識と技術に基づいた意図的な看護援助であり、望ましい成果をもたらすべく熟考された看護援助を意味していることが特徴である。
参考文献
1)Mariah Snyder(著)/野島良子(監訳):マラヤ・スナイダー看護論―看護診断と看護独自の介入,へるす出版,1996.
2)Gloria M. Bulechek , Joanne McCloskey Dochterman , Howard K. Butcher(編)/中木高夫, 黒田裕子 (訳):看護介入分類(NIC)原著 第5版, 南江堂, 2009.
3)国際看護師協会(編)/日本看護協会「看護実践国際分類第1版日本語版作成ワーキンググループ」(訳):ICNP(看護実践国際分類) 第1版日本語版,日本看護協会出版会,2006.
4)Mariah Snyder (著)/尾崎フサ子, 早川和生(監訳):テキスト看護介入 ナースの自主的診断による患者へのアプローチ,メディカ出版, 1994.