睡眠 sleep

睡眠とは、動物の身体の動きが静止し、外的刺激に対する反応が低下して意識も失われているが、内外の刺激に反応して容易に覚醒水準に戻ることができる状態をいう。意識や身体の機能が部分的ないし完全に休止している状態で、心身に休息をもたらすとともに、覚醒時の活動を積極的に支えている。人の睡眠は、徐波睡眠(ノンレム、NREM)とレム(REM)睡眠に分けられ、およそ90分周期で交代して現れる。脳波パターンから徐波睡眠の深度は入眠期、軽睡眠期、中等度睡眠期、深睡眠期に分けられ、脳が休養している状態である。レム睡眠時には、覚醒期に似た低振幅速波が出現するが、筋緊張は消失し、眼球運動が盛んに起こる。レム睡眠期にはほとんどの場合、夢を見ているといわれている。
看護では、より良質な睡眠を確保するために、規則正しい生活習慣と十分な睡眠時間を確保できるような環境条件を整える。例えば、生活習慣では、睡眠前の歯磨きや洗顔、寝衣に着替える援助、また環境条件では、照明、温度、湿度、換気、音、臭いなどの物理的環境調整や、プライバシーへの配慮を行う。また、罨法や足浴によって眠りやすい状況を作り出す援助を行うことができる。
参考文献
1)ケビン・モーガン, ホセ・クロス (著)/川上勝 (訳):看護実践における睡眠管理, コメディカルエディター ,2003.
2)白川修一郎 (編・著):おもしろ看護睡眠科学, メディカ出版, 1999.
3)深井喜代子(監):ケア技術のエビデンス―実践へのフィードバックで活かす,へるす出版,2006.