継続看護 continuing nursing care

継続看護とは、看護の対象となる人々の療養生活における昨日、今日、明日といった継続性と、療養の場の移動や健康状態の変化にかかわらず、責任をもって、一貫した看護が提供されるという看護の質的な継続性とを意味している。1969年のモントリオール国際看護師協会(ICN)大会では、「その人にとって必要なときに、必要な場所で、適切な人によって看護を受けるシステムである」と定義づけられた。
疾病構造の変化、人口の高齢化、在院日数の短縮、在宅看護の導入により、疾病や障害をもったまま医療施設を退院し、福祉施設や在宅で生活する人が多くなっている。そのため、多職種との連携のもとに、生活の場の状況にあわせて一人ひとりのニードが満たされるために、ますます看護の継続性が重要となっている。継続看護を実践するためには、疾病・症状マネジメントや社会福祉制度などに関する幅広い知識、根拠に基づいた多彩な看護援助技術、多職種間連携のためのコミュニケーション能力などが必要となる。医療機関での退院支援、在宅療養中の訪問看護などの活用を通して、そのときどきのニーズやあらゆるライフステージに応じた一貫した適切な看護が切れ目なく提供されることが重要である。
参考文献
1)木下安子(編):こころと体のケア8 継続看護と在宅ケア, 出版研, 1992.
2)日本訪問看護振興財団 (編):継続看護実践ガイド―医療機関と訪問看護をつなぐ看看連携,中央法規, 2002.