看護管理とは、最適な看護の提供を目指し、人・物・金・情報・時間に関して計画・立案、組織化、調整、統制、変革を行う活動およびその過程である。主な活動は、看護の組織化を図り、業務の明確化・監査・開発、人材の確保・活用・育成、予算計画と執行・評価、労働環境の調整を含む労務管理などを合理的・効果的に行うことである。これらは、行政・機関・部門・看護単位の各段階において実施される。
管理は、営利・非営利にかかわらず、組織としての存続・発展を図るために基本的かつ重要な機能である。看護管理は、看護職者のもつ能力が有効に発揮されるよう間接的に支援するとともに、最小限度の時間、エネルギー、経費、人員をもって最適な看護を提供することを目的とする。看護管理者である看護部長、看護副部長、看護師長などが主にこの役割を担うが、看護職者個々人もその一員である。
具体的には、看護職者は最適な看護の提供を目指し、専門職業人としての責任のもと、看護実践における様々な意思決定をする。同時に、関連分野の職員と協働したり、多種類の物品、機械器具類、設備、施設を活用したり、事務的処理をも担う。そのため、あらゆる段階で看護管理を行うことが求められる。
参考文献
1)橋本和子(編・著):これからの看護管理―マネジメントに活かす理論と実践 改訂2版,メディカ出版,2007.
2)永野貞(編):WHO看護管理ゼミナール記録,日本看護協会出版部,p.5,1963.
3)大串正樹(著):ナレッジマネジメント-創造的な看護管理のための12章,医学書院,2007.