看護目標 nursing goal

看護目標とは、看護活動を実施することで対象の反応として期待される結果であり、看護活動の方向性を示すものである。
広義では、人々に代わってあるいは人々とともに看護職者が行う活動やその成果であり、看護の概念モデルにおけるメタパラダイムの一つである「看護」の論述の中に示されるものである。看護目標に関する記述は、それぞれのモデルの提唱者によって焦点をあてている現象は異なるため、各々異なった視点から示されている。狭義では、看護過程における看護目標であり、看護上の問題に焦点化されており、それに対する看護職者による意図的な看護活動の結果、達成可能と考えられる、望みうる最善の状態を示したものである。看護の対象となる人々の状態を踏まえ、看護活動の成果としてどのような反応や行動をとるか、どのような状態になるかということが評価可能な形で提示される。このような2つの意味の混同を避けるために、看護過程における看護目標をいう場合には、看護成果、あるいは患者目標という言葉が用いられることもある。
また、患者と共有する共同目標、他職種との間で設定する協働目標なども看護活動の目標として挙げることができる。患者との共同目標を設定することは、患者の積極的なケア参加を促し、目標を達成する上で望ましい結果をもたらすであろう。他職種との協働目標では、共通の目標を達成するために、各職種が果たすべき役割行動と責任の所在を明確にすることができるであろう。
参考文献
1)J.Fawcett(著)/太田喜久子,筒井真優美(監訳):フォーセット 看護理論の分析と評価 新訂版,医学書院,2008.
2)松木光子(編):看護学概論 看護とは・看護学とは 第4版,ヌーヴェルヒロカワ,2007.
3)H. Yura , M. B.Walsh/岩井郁子,他(訳):看護過程-ナーシング・プロセス・アセスメント・計画立案・実施・評価 第2版,医学書院, 1986.