研究とは、特定の疑問に対する答えを導きだしたり、問題を解決したりするために、科学的方法を用いて行う系統的な探究であり、その目的は、学術の発展や実践のための知識体系の構築である。看護研究は、看護活動や看護教育、看護管理など、看護の現象に関する疑問に応えたり、問題を解決したり、あるいは看護現象の説明や検証のために、組織的・科学的な方法を用いて行う系統的な探究である。これらの取り組みに対して、一定の秩序(研究のプロセス)に従って、明確な目的・研究の枠組み・方法を活用することで、一方では、事物間の関係を解明し、他方では、新しい理論の構築や検証を試みる。
研究には数種類の分類があり、一般的には量的研究と質的研究に分類される。量的研究は、コントロールの程度により実験研究、準実験研究、非実験研究に分類されたり、量的記述研究や仮説検証研究などに分類されたりする。質的研究には、現象学的研究、グラウンデッドセオリー、民俗学的研究、歴史(学)的研究、哲学的探求などが含まれる。また、経時的な研究分類には、横断的研究と縦断的(コホート)研究があり、研究目的や内容による分類には、基礎研究と応用研究、アクションリサーチなどがある。そして、概念や理論に関しては、演繹的・帰納的研究の分類が用いられる。
参考文献
1)D. F. Polit, C. T. Beck(著)/近藤潤子(監訳):看護研究―原理と方法 第2版, 医学書院, 2010.
2)Nancy Burns , Susan K . Grove(著)/黒田裕子, 中木高夫, 小田正枝,他(監訳):バーンズ&グローブ看護研究入門―実施・評価・活用, エンゼビア・ジャパン, 2007.
3)南裕子(編):看護における研究, 日本看護協会出版会, 2008.