ソーシャル・サポート social support

ソーシャル・サポートとは、専門家による支援だけでなく非専門家によるものも含み、サポートの種類としては基本的に2つのタイプに分けられる。第1のタイプは、心理学的サポートであり、情緒的なサポートや自己価値へのサポートなど様々なものがある。第2のタイプは実際上のサポート、つまり直接援助や情報提供、物質的サポート、経済的サポートである。
ソーシャル・サポートは、直接的に心理的ストレスを軽減させたり、間接的にストレスフルな状況に対する認知パターンに働きかけたりして、身体的に健康を促進させる効果をもつとされている1)。しかし、ソーシャル・サポートの否定的側面が考慮されてこなかったことも指摘されている3)。
ソーシャル・サポートの概念は、ソーシャル・ネットワークの概念と関係している。ソーシャル・サポートは人間関係のネットワークという文脈において起こり、ソーシャル・サポートはネットワークのメンバーからもたらされるが、ソーシャル・ネットワークのすべての人々がサポートを提供するとは限らない。
看護領域においては、健康の維持・増進にソーシャル・サポートが深く関係していることから、ソーシャル・サポートの活用や活性化など、ソーシャル・サポートに働きかけることもある。病気や障害などによって、社会生活に困難を抱えた個人および家族に対してソーシャル・サポートを提供・活用することの重要性は認識され、実践や研究で注目されている。
参考文献
1)看護学学術用語,日本看護科学学会第4期学術用語検討委員会, 1995.
2)Jane Norbeck:看護におけるソーシャル・サポート-理論と研究の接点,看護研究, 19(1), p.5-17, 1986.
3)Sheldon Cohen, Benjamin H. Gottlieb, Lynn G. Underwood (著)/小杉正太郎, 大塚泰正, 島津美由紀,他(訳):ソーシャルサポートの測定と介入,川島書店,2005.