保健指導 health guidance

保健指導とは、看護における相談・教育的機能として位置づけられる。個々人が自らの疾病を予防し、健康を保持・増進するために、保健医療従事者が専門的な助言と援助をすること、健康に障害のある者には再び健康生活を取り戻すための援助と指導を行うことである。
保健指導を行うための看護援助技術としては、必要な情報(健診結果、ライフスタイル、価値観、行動変容のステージ[準備状態]など)を収集するためのコミュニケーション、それに基づいて支援方策を判断する技術(アセスメント)、看護の対象となる人々が自らの生活行動の課題に気づき、生活改善の行動目標を決定することを援助する技術などがある。これらは、行動変容などに関する様々な理論から導き出されたもので、保健指導の実施者はこれらの技術を統合させて用いることが求められている。
2008年4月から、健康保険組合、国民健康保険などに対し、40歳以上の加入者を対象としたメタボリックシンドロームに着目した特定健康診査および特定保健指導の実施が義務づけられることになった。特定保健指導は、リスクの程度に応じて、「動機づけ支援」と「積極的支援」に分類される。そして、個々人が生活習慣を振り返り、生活改善の行動目標を設定し、目標達成に向けて行動するように指導を行う。
参考文献
1)松本千明 (著):医療・保健スタッフのための健康行動理論の基礎―生活習慣病を中心に,医歯薬出版, 2002.
2)足達淑子(著):行動変容をサポートする保健指導バイタルポイント―情報提供・動機づけ支援・積極的支援, 医歯薬出版, 2007.
3)Nancy I. Whitman ,Barbara A. Graham ,Carol J. Gleit, 他 (著)/安酸史子 (監訳):ナースのための患者教育と健康教育, 医学書院, 1996.