バイタルサイン vital signs

バイタルサインは、vital=生きている、signs=徴候、すなわち人間が生きていることを示す最も基本的な徴候(しるし)である。一般的にバイタルサインとは、「体温」「脈拍」「呼吸」「血圧」をさす。しかし、近年広義の意味で、意識レベルや心音、腸蠕動音、酸素飽和度など、生体の全ての生命徴候を含み、バイタルサインと表す場合もある。
バイタルサインは、気温などの環境的要因や身体運動、疾患の影響など、多くの要因によって変化する。バイタルサインの観察を行うことは、患者の健康状態、全身状態を把握し、身体的・心理的ストレス状態とともに、治療や看護ケアに対する反応を判断する指標となる。また、看護職者がバイタルサインを測定し継続的にモニタリングを行うことは、フィジカル・アセスメントの重要な専門技術として位置づけられている。
看護職者は、病院はもちろん在宅においても、聴診器、体温計、血圧計などの簡易な測定道具を用いバイタルサインを正確に測定し、問診・視診・触診などのフィジカル・アセスメント技術と合わせて患者の状態を把握する。それらの測定結果を基に患者の身体状態のアセスメントを行い、看護の必要性について判断をしている。
参考文献
1)Patricia A. Potter, Anne Griffin Perry(著)/井部俊子(監):看護学名著シリーズポッター&ペリー看護の基礎―実践に不可欠な知識と技術,p.284,エルゼビア・ジャパン,2007.
2)日野原重明,阿部正和,岡安大仁,他(著):バイタルサイン―そのとらえ方とケアへの生かし方,p.1,医学書院,1980.
3)田中裕二(編):根拠に基づくバイタルサイン,学習研究社,2006.