テレナーシング(遠隔看護) telenursing

用語の定義
Information and communication technology(ICT)と遠隔コミュニケーションを通じて提供される看護活動

用語の解説
テレナーシングは看護職とケアの利用者間で行われるものと、看護職間の専門的支援の2タイプがある。前者では、ICTを利用し、音声、画像、映像、心身情報などをもとに看護職が離れた地点で暮らす利用者とその家族アセスメントを行い、遠隔コミュニケーションを通じて、情報提供、相談、教育、および保健指導を提供するものである。後者では、看護職間の遠隔カンファレンスや教育・指導などである。遠隔コミュニケーション手段には、PC、タブレット端末、スマートフォン、スマートスピーカー、一般電話などの情報通信機器を用いる。
看護職とケアの利用者間のテレナーシングは遠隔医療の一部である。看護職がテレナーシングを通じて診療の補助、および療養上の世話を行うものであり、情報提供、教育、相談、保健指導の提供に加え、多職種協働による看護の提供、利用者全体の管理や調整を含む(診断・治療は含まない)。テレナーシングの主体は在宅生活者である。かかりつけ医をもつ対象者へのテレナーシングでは、医師の指示を受け、多職種との連携・協働により実施する。かかりつけ医をもたない対象者へは、一般的な情報提供(オンライン診療の適切な実施に関する指針上、「遠隔医療健康相談」と称し、医師又は医師以外の者と相談者間において、情報通信機器を活用して得られた情報のやりとりを行うが、一般的な医学的な情報の提供や、一般的な受診勧奨に留まり、相談者の個別的な状態を踏まえた疾患のり患可能性の提示・診断等の医学的判断を伴わない行為)を行う。テレナーシングは看護職の能力とスキルを駆使して看護過程を思考しながら行うため、看護実践の本質を根本的に変えるものではない。しかし、インターネット、コンピュータなどのICTや電話などを活用して対象者との関係性を構築する必要がある(College of Registered Nurses of Nova Scotia,2008)。テレナーシングの役割には、①対象者と家族との接触(離れた場所の対象者の状態の把握、在宅モニタリング機器から送られるデータの評価、教育・指導、救急部受診の必要性の判断など)、②看護職と多職種間の連携がある(Rutledge & Gustin, 2021)。
テレナーシングは、健康増進、健康や疾病の管理に活用でき、健康と生活上の課題を遠隔コミュニケーションによって、多職種連携のもとに支援する(日本在宅ケア学会, 2021)。

参考文献
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